おすすめ本⑤ 2020年05月18日

司書Hです。

新書を紹介します。

♣トラックに手をふりたくなった♣

橋本愛喜『トラックドライバーにも言わせて』

著者は元トラックドライバーの女性です。トラックの様々な仕様、運転の技術から現在の物流業界の問題点までを解説しています。

2019年、神奈川県で全長12メートルの大型トラックが踏切で立ち往生した事故がありました。線路と並行する狭い小道から右折して踏切に進入し、動けなくなり、快速電車と衝突してトラックの運転手が亡くなりました。著者は1カ月間のあいだに6回も事故現場に足を運びました。事故の大きさのわりに、ドライバー不足や、ドライバーの高齢化、大量積載の問題など物流業界の諸問題があまり報道されることはありませんでした。元ドライバーとして心を痛め、事故を検証し対策を語っています。

著者はリズム&ブルースの歌手を目指していただけあり、文書にリズム感があり、語りが熱いです。誰かトラックドライバーのお仕事小説を書いてくれないかなあ。

 

ドライバーの労働問題をもっとほりさげて考えるなら、首藤若菜『物流危機は終わらない』も読んでみてください。

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詩集をどうぞ。

♠「いまから百年後にわたしの詩の葉を 心をこめて読んでくれる人

君はだれかー 」♠

先日『タゴール・ソング』というドキュメンタリー映画を見ました。

ラビンドラナート・タゴールはノーベル文学賞も受賞したことがあるインドの詩人です。タゴールは作曲もしていたのです。それがいまでもベンガル人に歌いつがれて、日常で人々が口ずさんでいます。インドというと、貧富の差や女性蔑視などの社会問題が取り上げられることが多いですが、このドキュメンタリーは人々の生活と歌う姿からベンガルの民族性の豊かさを探っているのでした。

比較的最近刊行されたタゴールの詩集、2冊を紹介します。学習センターが使えるようになったら、こころに響く詩を見つけてください。

R・タゴール『わが黄金のベンガルよ』、『ギーターンジャリ』

 

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