中高校生が登場するノンフィクションを紹介 2020年06月10日

山田ルイ53世  『ヒキコモリ漂流記』

一昨年、講演に来られた時にサインをしていただいた本が学習センターにあります。前半は六甲学院での学校生活が描かれて、その後の人生はまるでジェットコースターに乗ったみたいに一気に読みたくなります。

『地獄の通学路』の章に―「お金持ちの有力な父兄が、いつの日か駅から学校までロープウェイでも造ってくれないか」と願っていた。―とあります。残念ながらまだロープウェイは造られていません。

 

大崎 善生  『聖の青春 』

「東の羽生、西の村山」と呼ばれ、29歳で亡くなった棋士・村山聖を描くノンフィクション。5歳から重い腎臓病を患い病院のベッドの上で将棋を覚え、中学を卒業後、大阪で一人暮らしをしながら名人を目指します。 病気で思うようにならない体と闘いながら、一局一局、命を削るような将棋を指して行きます。彼が精一杯、生きた青春が描かれています。

 

ブレイディ みかこ  『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 』

父がアイルランド人で母が日本人。英国の地元の中学に入学した優等生の『ぼく』。学校では、移民、人種差別、貧困格差など複雑な問題が子ども達にも影響を与えています。遠く離れた世界のどこかで、自分たちと同じ年齢の人たちが今、どんな環境何を感じているのか覗いてみませんか?

 

先崎 学『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』

うつ病になるおじさんの話かぁ…と思われるかもしれませんが、先崎さんは「将棋は弱者のためにある公平なゲームだと信じ誇りに思っている」と言っています。その思いの根源には中学生の経験がありました。

いじめに会い、生徒手帳にバカと書かれて廊下に貼られ、家の壁に落書きをされたあの時、将棋を指す仲間がいなかったらどうなっていたのかと振り返ります。その後、本を読み知識を得、現場で勉強をして常識を得、吃音を直し、中学時代の辛い経験を克服しようとしてきたと記されています。

「他者に優越感を持つことによって快感を得る人間が多いことを知っている」

「まともに生きている人間を馬鹿にする奴はまともではない。馬鹿である」

そんな彼の言葉が心に響きます。

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