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校長先生のお話

2010年03月19日のお知らせ

3学期終業式

 2009年度の終わりにあたってこの1年を振り返ってみてください。一人ひとりそれぞれ色々なことがあった1年だったと思います。成績の上がった生徒、下がった生徒、クラブ活動で充実した1年であった生徒、文化祭や強歩大会などの行事で大きな成果を収めた生徒等々……。一人ひとりそれぞれの1年だったわけですが、それらのなかで生徒だけでなく教職員も含めた六甲学院が共通して経験した大きな出来事は、いうまでもなく新型インフルエンザの流行ですね。1学期に2週間の休校があり、続いて体育祭が中止になりました。夏休みには全校一斉の補充授業の実施、2学期に入っても学年閉鎖が続いたし、強歩大会は延期になりました。数え上げればきりがないぐらい多くの行事の変更がありました。

 このような想定外の変更に対する対応で六甲生を2つのタイプに分けることができると思います。つまり、通常とは異なる変則的な事態がおこったときに、それに流されずに自分に課せられた仕事・義務をこなしていくことができた生徒と、通常の自分を見失って流されてしまい、だらだら過ごしてしまった生徒、の2つのタイプです。分かりやすく言えば、“自己管理能力”のある生徒とない生徒、の2タイプです。自分はどちらだったでしょうか。

 君たちにとって、これからの長い人生のなかで予想外の出来事が身に降りかかってくることは必ずあります。立場によっては生死を分ける決断を迫られる場合もあるかもしれません。私は、将来君たちが社会に出て責任ある地位についていってほしいと願っていますが、そうなった場合、君たちには他人の運命を左右するような重要な判断・決断が要求されてきます。そのようなときに自分を見失うことなく冷静にものごとに対応できるようでなければ大きな決断は任せられません。自分を見失うことがないということは自己管理能力に関わることでもあります。自己管理能力のない人間に正しい判断・決断はできないでしょう。この1年を振り返って、自分にもしその点が足りなかったということであれば、来年度以降がんばって自己を磨く努力をしてほしいと思います。

 インフルエンザの流行でつくづく感じたことがもう一つあります。これは以前にも話をしたことですが、平凡な毎日がいかに貴重なものであったのかということです。2学期の終業式で話した『クリスマス・セーター』の話を思い出してください。自分にとって現在の状況に不満があったとしても、実はもっと悪い状況に陥ることも充分考えられることです。そのことを考えれば現状を肯定的に受け取って、それを少しずつでも改善するよう大事に過ごしてほしいと思います。

 自己管理をしっかりすることと、現状を肯定的に受けとめて今を大事に過ごすこと、この2点をインフルエンザの教訓として受け止め、新たな気持ちを持って来年度がんばっていってほしいと思います。