おすすめの本はつづくよ 2020年06月05日

京都と学者と変わった人々

先日学習センターに今年の卒業生から電話がありました。3月に本を借りたものの、新型コロナの影響で返却ができなかったので、どうしたらよいかという問い合わせでした。彼は京都大学に合格しました。せっかく合格した大学はまだ授業が始まっていません。みんな元気かな?そんな京都大学に想いを馳せて本を選びました。司書Hです。

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松原始『カラスは飼えるか』

普段は、ゴミ置き場を荒らす害鳥としか見ていなかったカラスですが、自粛期間中、ちょっと愛おしく思えました。自粛期間あるあるです。私はカラスにストーキングされたことがあり、カラスの行動に「おもしろい」ではなく恐怖を感じていました。「おもしろい」という気持ちがあれば、もう少し科学的にカラスの観察をできたかもしれません。著者の『カラスの教科書』は学習センターでも人気の本です。今回の本には、京都大学伝統のフィールドワークの話がたくさんでてきます。

山極寿一『京大式おもろい勉強法』

著者は現在の京都大学の総長です。これは教科の勉強方法を説いた本ではありません。ゴリラの研究のため訪れたアフリカでの経験や、ゴリラやサルなどの観察をとおして見えてきた、人間としての生き方です。とてもわかりやすい言葉で前へ進むこと後押ししてくれます。そこに山極先生の人となりが表れています。中学生も読むことができると思います。

『京大変人講座』『もっと京大変人講座』

タイトルどおりの内容です。いろいろな研究者と研究内容を見ていきましょう。まさかの第2弾まで出版されました。

 

梅棹忠夫『知的生産の技術』

ロングセラーです。梅棹忠夫は京都大学で動物学を学び、その後文化人類学を中心に研究をしてきました。初代の国立民族学博物館の館長です。著者がフィールドワークでノートより整理をするのに便利であると作ったカードは、昔、とても流行りました。現在はデジタル機器を使って情報を集め、まとめる時代になりましたが、本書に書かれている、情報をまとめ書きおこす方法、本の読み、それを知識として自分に蓄える方法は今でも参考になると思います。お父さんやお母さんが読んで、お家の本棚にあるんじゃないかな?探してみてください。

 

森毅『まちがったっていいじゃないか』

森毅は京都大学で長く教鞭をとっていた数学者です。自身の少年時代を振り返りながら、若い読者にやさしく語りかけてくれます。学校開始が遅れて教科の学習の進度が気になりますね。そんな時はこそ深呼吸して、この本を手にとってみてください。

 

お♥ま♥け

『京都 紙と文具』(淡交ムック)

ああ、京都に行きたいな。

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