月別アーカイブ: 2016年2月

選書ツアー 書評6 2016年02月26日

選書ツアー、最後の書評です。

中学3年のH君。

 

一番線に謎が到着します ~若き鉄道員・夏目壮太の日常~ / 二宮敦人・幻冬舎

 

 郊外を走る蛍川鉄道の藤乃沢駅の毎日はトラブルだらけ。ある時は、絶望寸前の作家の人気漫画の最終回の原稿の忘れ物。ある時は、幽霊の噂。また、ある時は大雪で車両孤立中に急病人が発生…。

 そんな中でも個性豊かな鉄道員たちは、乗客の笑顔のために奮闘する。ミステリーですが、人が死んだりするタイプではなく、どちらかというと人間ドラマを中心としたコメディなので読みやすく、ふと暇になった時にさらさらと読めると思います。

 「謎」の部分では半人前ながらもいつも冷静な若き鉄道員、夏目壮太と共に解き、個性豊かな登場人物たちの会話に頬を緩ませて事件の裏にあった真相に少し心を震わせ、またそれでいて一生懸命に情熱を燃やしながらいつも利用してもらっているお客様のために働いている姿に心打たれたり…。

 是非、読んでみてはいかがでしょうか。

H君は今年度すでに貸出が300冊超 😯  。

凄い勢いでミステリを読みまくっていますね・・・まだ中学生ですから

高校生になってからが楽しみです。

 

 

 

昼休み風景 2016年02月26日

 

 

 

 

今日はひさしぶりに大入りの昼休みでした。

図書委員はコツコツと働いています。

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1階、東西の入口にある掲示板に出す「新刊案内」を綺麗に貼り付けています。

 

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本の背ラベル貼り。

 

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来週発行の「図書館だより」、原稿を考え中の管理職・・・。

 

 

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チャイムが鳴ってから、カウンターが忙しい :roll:

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除籍した雑誌のうち文化祭・古本市で販売しないものを

「ご自由にお持ちください」と出してみたら、なんと3日できれいに

なくなりました。捨ててしまうより、ずっといいですね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日の図書委員&選書ツアー 書評5 2016年02月24日

昨日から中学2年がインフルエンザで学年閉鎖となり、

昼休みの学習センターはとても、とても静かです。

図書委員も2名のみ・・・ :roll:

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黙々と新刊棚で古くなった本を探しています

 

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カウンターも余裕の読書?!

ほかの学年も体調には気を付けてね。

 

そして、選書ツアーの書評です。

まず、中学3年のM1君

チーム pick-up  team / 堂場瞬一著 実業之日本社

 

 皆さんは正月の箱根駅伝を見た事がありますか?今年は青山学院大学が優勝しましたね。

 私は毎年見ているのですが、いつもあるチームを応援しています。

 そのチームこそが本作のテーマである「学連選抜」です。

「学連選抜」とは箱根駅伝出場を逃した大学のなかから、予選で好タイムを出した選手が選ばれた通称“敗者の寄せ集め集団”です。

 この本の主人公の浦大地は予選会で惜しくも敗れ、自分の大学での陸上競技が終わったと落ち込んでいると、「学連選抜」に選ばれて箱根経験者であるという理由で主将を任されます。

 その年の「学連選抜」は史上最強と言われるほど強いということもあったため、浦は優勝宣言をします。初めは普段と異なる環境に戸惑いなかなか上手くいかないメンバーが徐々にうまく組み合わさり、「チーム」となる時、物語は衝撃的な結末を迎えます。

 完全実力派の堂場瞬一さんが描く青春スポーツ小説をぜひお読みください。

箱根駅伝といえば、三浦しをんの『風が強く吹いている』も人気がありますね。

ぜひ堂場さんの小説も読んでみて下さい!

 

次も中学3年、M2君の選んだ本です。

Androidアプリ完全(コンプリート)大事典 / ライターズハイ著 技術評論社

 

 この本はアプリをひたすら集めた本です。ジャンル別にまとめてあり、そのアプリの説明の下にQRコードも載っていてとても分かりやすいです。

 ここで私のオススメアプリを紹介します。一つ目はP45にある「Perfect365」でこれは簡単に言えば修正アプリで結構簡単にうまく修正できるので面白いですよ(笑)。

 あとはP251の「MP3カッター」やP291「Ingress」がオススメです。MP3カッターはスマホ内のMP3音源からサビなどの一部分を切り取って着信音などに使えます。Ingressは位置情報をつかった陣取りゲームで、しんどいですが結構面白いです。(歩き回ってやらないといけません)他にもいろいろあるので見てみてください。

小説、スポーツなどの本を選ぶ委員が多い中、M2君はAndroid、ヘッドホン、など

機械モノの本を選んでいました。よく借りられています!!

さいごは高校2年、K2君の書評です。

北天に楽土あり / 天野 純希著 徳間書店

 

 戦国時代、東北の武将と言えば誰を思いだしますか。多くの人は伊達正宗や上杉景勝、直江兼続といった所でしょう。この作品はこういった人々と争い、家を大きくしていった最上家当主・最上義光(もがみよしあき)の生涯を綴った物語です。

 義光は、奥州探題の直系でありながら落ちぶれ伊達家の属国となっていた最上家を一代にして大名まで大きくしました。彼は妹の嫁ぎ先である伊達家(伊達正宗は甥に当たる)から劣勢ながらも勝ちを収め、本領を取り戻し、いち早く秀吉と結び家康との中を深め、家を守るために奔走します。そして時代は天下分け目の合戦である関ヶ原へと進んで行き、上杉家と長谷堂城で激突します。

 あまり武勇誉れ高い武将ではなく謀略に長けた義光ですが、白熱する合戦や義光の家臣や家族に対する深い思いを感じることができます。是非読んでみて下さい。

時代小説を選ぶとは、渋いですね。大河ドラマだけじゃなくて

歴史小説・時代小説も読んでみると結構止まらなくなるとおもいます!

 

 

選書ツアー 書評4 2016年02月23日

選書ツアーには総勢9人の委員が参加しました。

全員の書評を掲載するにはまだまだかかりそうですが・・・。

今日は高2、ふたりをご紹介します。

まず、K君。

ゼロ・トゥ・ワン / ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ著 NHK出版

 

 「賛成する人がほとんどない、隠された真実とは何だろうか?」

この質問に今のあなたは答えることができるだろうか。

 「競争」は現代において肯定的な言葉として用いられている。しかし、本当に価値あるものを生み出す企業が行っているのは「競争」ではなく、「独占」なのである。

例えば、グーグルを考えてみてほしい。最近では自動運転車などが注目を浴びているが、グーグルといえば検索エンジンである。この分野においてグーグルはyahooやbingを圧倒的に凌ぐシェアを獲得している。だからこそ、検索にとどまらず様々な分野に手を伸ばすことができるのだ。企業が厳しい競争によって生み出せるものはない。

 と、これはあくまで一例である。起業を考えている人だけでなく、多くの人にとって驚きに満ちた一冊であることだろう。

 さて、最後にもう一度問おう。

「賛成する人のほとんどない、隠された真実とは何だろう?」

 この本を読んだあなたが、あなたの答えに近づくことを事を祈っている。

ほおー、高校2年にもなると、こういうビジネス本を選ぶんですね~ :roll:

 

次は、O君です。

受験うつ / 吉田たかよし著 光文社

 

 この本は、受験生の中で増加している”受験うつ”について書かれています。これは名前に”うつ”とついていますが、うつ病とは少し異なり、メンタル面の不調のせいで勉強しなくてはいけないことはわかっているのに勉強が進まなくなり、成績が低下。その繰り返しによって、どんどん成績が落ちてしまう、という症状が主となります。この本では、なぜ受験うつになってしまうのか、また、罹っている人はどうすればいいのかについて書かれています。ここでは、私が興味をもった”受験うつ”になりやすい人について、少し説明します。

 受験うつになる原因の一つが、自己愛だとされています。これは、自分は頭がいいと思い込んでいるがテストの結果が思う所に届いていないことによるストレスで受験うつになるケースが多いからです。

 このようなケースに心当たりのある方は是非一度読んでみることオススメします。

これも想定外の選書でした。

模試のラッシュで委員のみなさんはお疲れなのでしょうか。

でも自分で”受験うつ”に興味があるといっているくらいだから

安心ですね、冷静です。来年の今頃は受験やねー 😉

 

 

選書ツアー 書評3 2016年02月22日

高校生が2人続きました、今日は中学3年のT君が選んだ本を紹介しましょう。

(彼は毎週雑誌の受入れ担当で、司書から「ミスター・マガジン」と呼ばれています~。)

この選書をしたのは12月、ちょうど映画が上映されていた頃でしたね。

 

杉原千畝―情報に賭けた外交官― / 白石仁章著 新潮社

 

杉原千畝といえば皆さんご存知の通り、第二次世界大戦下のリトアニアにてユダヤ系難民にヴィザを発給し、六千人ものユダヤ人を救った外交官として有名ですが、この本では杉原千畝のあまり知られていないインテリジェンスオフィサーとしての一面を描いています。

杉原千畝は様々な弱い立場の人間から信頼を勝ち取り、彼らから得た情報を利用することで、日本や世界をできる限り良い方向へと導こうとした、まさに情報にすべてを賭けた外交官なのでした。この本は、杉原千畝のそのような諜報活動の一つ一つを丁寧かつわかりやすく解説し、極力難しい言葉を使わずに活動をあたかも物語のような形式で書くことによって、読者を飽きさせることがありません。

第二次大戦下の満州国やソ連、ヨーロッパの情勢に興味のある方や、杉原千畝という人物に興味のある方に特にお勧めする一冊です。

 

 

 

選書ツアー 書評2 2016年02月20日

第2弾 高2、W君の書評です。

猫の伝説116話 / 谷真介著 新泉社

 むかしから、猫は非常に人間と近い生物であった。古代エジプトでは、猫はネズミから穀物を守ってくれる良きパートナーであったし、現在では愛玩動物として非常に有名な生き物であるといえよう。それゆえ猫の物語は、古くから様々な伝説として残っており、現代でも様々な作品がつくられている。有名なジブリのアニメである猫の恩返しなどがそれだ。

 その中でも、この本には様々な伝説が集められている。

 猫又と言うモノを聞いたことがあるだろうか。これは生き物というよりは妖怪、怪異と言ったものの一種だ。長年生きて飼い主の死も経験してしまった猫が不死となり、尻尾が二股になったものが猫又である。日本では古くから恐れられてきた猫又だが、必ずしも人に害をなす存在ではなく、無害な存在として伝えられている例もあるようだ。この本にも猫又が出てくる話がある。

 最近、空前の猫ブームである。この本を猫と人との関係を知る足掛かりとして読んでみてはいかがだろうか。

 

推理小説やPC、クラブ関係の本を選ぶ生徒が多い中、

猫の本というチョイスは新鮮で、優しいW君らしくていいですね~。

 

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インフルエンザが流行しています。

学習センター入ってすぐのところにも手洗いがあります、

うがい、手洗いをしっかりしてくださいね。

 

 

選書ツアー 書評1 2016年02月17日

年末の選書ツアーからほぼ2ヶ月・・・

やっと参加した委員9人の書評が出揃いました。

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センター北側廊下の窓に掲示してあります。

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今日はその中から高校2年、E君の書評をご紹介しましょう。

宇宙旅行はエレベーターで / ブラッドリー・C・エドワーズ、フィリップ・レーガン著 オーム社

 

 今の時代は「地球を冒険するには遅すぎ、宇宙を冒険するには早すぎる時代に生まれた」とよく表現される。でもそれは本当なのだろうか。科学技術が発達した今、「冒険すると」までは言えなくても、一度は宇宙に行ってみたいものだ。私はいままで地球と宇宙をエレベーターごときで行き来するとは冗談も大概にしろと思っていた。

 だがこの本を読みながら、宇宙エレベーターに現実に乗れて、地球を眺める日が来ると思うと感動しすぎて読みふけってしまった。残念ながらここで感動を伝えるべきなのだが、それを書くには余白が狭すぎる。

 どんなに疑い深い人でも、この本を読めばいかに宇宙エレベーター構想が現実的で素晴らしいものであるか全てを理解することができだろう。非常に多角的な視点をもって可能性を吟味している。

 もしかすると将来の家族旅行の行先は宇宙になっているかもしれない私たちが読んでおきたい一冊だとおすすめする。

 

うーん、この本を読んでみたくなりますねー 😯 !

また少しずつ委員の書評を紹介していきます。

本は、ブラウジングコーナー南側に展示中。