月別アーカイブ: 2020年5月

休校中のおすすめ本 おまけ 2020年05月31日

休校中、配信されたたくさんの授業。先生って凄い。司書Sは月ロケットの古文授業を真面目に視聴しました。「なるほどー。大学受験前に聞いておきたかった~」とつぶやきながら。とはいえ、高校生の頃は生意気で、大人(親と先生)の言うことなんかまともに聞いてなかった…という自信はあります。今だから素直に聞けるんだろうな、と考えたらその理由が気になって、センターの新刊から1冊読んでみたので紹介しておきます。

スマートフォンでのeラーニングのイラスト(外国人男性)

 

IMG_2665L

ハーバード流「聞く」技術 パトリック・ハーラン KADOKAWA

東工大で講義をしているだけに、文章は明快でユーモアもたっぷり。パックン本人の体験談も多くて具体的です。(p204:パックンも、高校時代にお母さんの言うことを聞かなかったことを後悔している話に笑ってしまいました)
家族と話すときに「どうせ」や「だって」がよく出てしまう人いませんか?私もそうでした。なんで素直に話が聞かれへんのかなー。先入観や決めつけ=自分の考えの癖、が聞くことを邪魔しているという指摘は耳が痛い。まずはそういう自分の癖を認めて、心の門を開いてまっすぐに情報を受け止められたらいいね。
パックンは「聞くことは考えること」だといいます。情報をインプットして自分なりに咀嚼し、アウトプットする。そうすると、新しい世界が開けてくる、と。「聞く→聴く→訊く→効く」の4ステップで、人生が豊かになる技術を身に着けてみませんか。

登校日、グラウンドに生徒の姿が見える!!!うれしいな…

IMG-2646-L

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IMG-2366-2

 

館内はまだ開館準備中。

返却本は、このポストに投函しておいてくださいね。

 

開館準備中 2020年05月26日

久々の登校日、いかがでした?
学習センターではみなさんに使ってもらうために
「新しい生活様式」じゃなくって「新しい利用方法」を模索中…。

 

 

 

 

20200526_141735

 

 

 

 

 

こんなんいるかな、とか…

 

 

 

 

 

20200526_142036

 

 

20200526_134922

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手の消毒は必須ですな、とか。

 

20200526_142109

羽海野チカさんのポスターも使わせていただきますね。

ちなみに、羽海野さんのこのマンガ、
『3月のライオン』、残念ながら学習センターにはありませんが、
司書Sも大好き!アニメも映画も見ました。

20200526_134849

ちょっと残念なお知らせも。
学習センターで一番3密な場所といえば…
そう、マンガのあるブラウジングコーナーです。
こちらは当面使用禁止にしておきますね( ;∀;)。            病院の待合室のイラスト

 

 

 

 

 

20200526_134911

 

20200526_142209

 

椅子も間隔をあけて

 

 

 

 

 

 

 

 

早くグラウンドを歩くみんなが見えるといいなあ。いましばらくお待ちくださいね。

 

 

 

 

 

 

おすすめの本⑨ 2020年05月25日

黒沢清監督のドラマが始まる

司書Hです。

6月6日からNHKBSで「スパイの妻」というドラマが始まります。

監督は黒沢清氏です。六甲学院の卒業生です。


ノベライズ本、行成薫『スパイの妻』(講談社文庫)は5月に入ってから出版されました。書店には平積みになっていますよ。もちろん学習センターにも入庫します。

 

行成氏がnote(https://note.com/kaoru_yukinari/n/ndd2d98be0799)で

この仕事の裏話を語っています。脚本をもとにノベライズしてほしいという依頼で、主人公は蒼井優と高橋一生とわかって書き始めたそうですノベライズする過程を面白くレポートしてくれています。

 

♥あらすじ♥

1940年、神戸を舞台に物語は始まります。六甲山、有馬温泉、居留地、なじみの地名がでてきます。太平洋戦争が始まろうとしている、不穏な空気が漂う時代です。貿易商の夫は満州に医薬品の商談に赴きます。妻聡子は夫が満州から帰国後にトラブルに巻き込まれ、夫に不信感をつのらせます。息詰まる夫婦の関係、スリリングな憲兵とのやり取り、テンポよく話が展開していきます。

神戸出身の黒沢監督はどんな映像を撮ったのでしょうか?

 

ドラマ見て、ノベライズした作品を読んで、行成氏のnoteを読んで、楽しんでください!

IMG_3586

休校中のおすすめ本⑧ 2020年05月22日

明日23日は登校日ですね!
電車に乗るのは久しぶり、という人もいるのでは?
(残念ながら学習センターは、閉館。明日利用はできませんm(__)m)

 

机の間隔を離した教室のイラスト

自粛期間中、司書Sは台所で、もっと化学を勉強しておけばよかったと後悔してました。料理は化学変化のオンパレード!レシピを見て作るけど、理屈や理由がわかればもっと楽しいし、工夫もできるのになーと。

 

学習センターにある料理本を見てみました。

IMG-2599L

おにぎり             川越晃子著       グラフィック社

今回、家庭で毎食料理することの大変さを痛感した人は多いようです。男女を問わず自分の衣食住は自分で面倒みられないと、ですよね。大学に入って家を出たらそこからは自炊という生徒もいるでしょう。遠い将来のことではないよね。
ということで、かんたんな料理本を選んでみました。簡単でおいしいといえばやっぱりおにぎりでしょ!

IMG-2575L
47都道府県ごとに、おっきな写真入りでおにぎりの紹介です。こんなに多彩な具のおにぎりやったらお昼ご飯にしばらく続いても飽きないんちゃうかなあ。見るだけでも楽しいですが、おいしいおにぎりの握り方や、日本で最初のおにぎり弁当の話などもついています

女子栄養大学 料理のなるほど実験室         女子栄養大学出版

料理の「小さじ1杯(5ml)」って食塩何グラム?水なら1ml=1gですが、塩や醤油などはそれぞれ違ってきます。器具と計量から再確認し、研究者と学生が実験を重ねて調理のコツを紹介。まさに料理は化学であり、科学です。いやほんとに実験が面白い。
目次から拾ってみると、「ハンバーグのたねは、どのくらいこねるといいのか」、「キウイフルーツで本当に肉がやわらかくなるのか」。ハンバーグは80、160、360回と実験し、結果160回こねたものがいい。キウイフルーツのたんぱく質分解酵素は肉をやわらかくするが…漬け時間は20分でいいそうです。理由も解説してあります。面白そうな項目だけ拾い読みしてもいいね。そして…お母さんにも教えてあげてください。知っていれば手間や時間が省けそうなコツもたくさん載っています。

続・料理の科学1、2     ロバート・ウォルク著          楽工社

前出の2冊よりは文章硬め、というか大人向けユーモアもあってお上品。やはり目次を見てパラパラと興味のあるところを拾い読みがいいかも。著者は大学の名誉化学教授。ワシントン・ポスト紙に連載した食品化学コラムを本にしたものです。
マグロの身は赤いもんだと思っていましたが、一酸化炭素でスモークして色を赤く保つ方法があるなんて知ってた?一酸化炭素(CO)といえば、密室で練炭中毒、死に至るというニュースがたまにあります。血液中の酸素を運ぶヘモグロビンがCOと結びついてしまうのですね。マグロの筋肉中でも同反応を起こして色を固定してしまうとか。(幸い日本ではこの方法は禁止されている)
2巻目には食品だけでなくキッチン家電や道具の章もあります。食洗機内で起こるアルミ製品の化学変化や、ドレッシングで油と水をどう混ぜるかという話から乳化現象→乳化剤→溶液→コロイド、へと話しが発展していくところなど、普段見ていることを化学的に説明するとこうなるのか、と眼が開かれる感じ。司書Sは化学式も原子も電子も陽イオンも全部忘れてしまったので、ページ下の注が有難い。

おすすめ本⑦ 2020年05月21日

5月21日、今日のGoogleのトップロゴは「ムビラを称えて」でした。クリックして聴いてみましたか?日本では、ムビラやカリンバは「親指ピアノ」と呼ばれたりします。ひょうたんの殻や木板に小さな金属片や木片のキイを付けて、指でかき鳴らす仕組みです。簡単な仕組みですが、想像もできないほど軽やかなはずむ音がでてきます。ムビラはアフリカのジンバブエの楽器です。ジンバブエは南アフリカの北に位置しています。イギリスの植民地でしたが、ムガベが率いるゲリラの活動で独立しました。しかし、政治、経済ともに混乱続きで、その後ムガベ大統領の長期政権は独裁だと欧米諸国から非難をされてきました。彼は2017に軍事クーデターで失脚、昨年亡くなっています。

 

今日はジンバブエ出身の作家が書いた小説や民族音楽の本を並べてみました。どうです。学習センターにはいろいろな本があるでしょう。開館されるのを楽しみにしていてくださいね。

 

♣ノヴァイオレット・ブラワヨ『あたらしい名前』♣

物語を語る少女は、前半部分はジンバブエ、後半はアメリカで暮らします。ポンポンと飛び出すような言葉と短い文章で語られます。それは無邪気なのか、冷静なのか、いや冷徹な感じさえします。ムビラの乾いた音のようです。

 ♦鈴木裕之/川瀬慈『アフリカン・ポップス!』♦

第4章は松平勇二氏がジンバブエの音楽について書いています。DVDやCDの紹介も章末にあります。

♠関根秀樹『新版 民族楽器をつくる』♠

音やメロディーの楽しみ方は人それぞれです。いままでに聴いたことがない音や楽器もあるかもしれません。探してみましょう。

IMG_3569

休校中のおすすめ本⑥ 2020年05月19日

5月も半ばを過ぎました。

授業動画、見ていますか?

先生方のご苦労は、職員室をちらっと通っただけでも伝わってきます。

熱い授業、しっかり受け取ってくださいね。

 

 

鹿の王2

鹿の王  上橋菜穂子著  角川書店

今回は中学生ターゲットで(もちろん高校生も再読おすすめ)紹介してみます。小学校の頃に1冊くらいは上橋菜穂子さんの本を手に取る機会があったんじゃないかしら。一番有名なのはもちろん「守り人シリーズ」。NHKでドラマにもなりました。まだの方は今読んでみるのもいいかもです。
本日のおすすめは、『鹿の王』。この話は犬に噛まれた人々が数日後にバタバタと死んでいくところから始まります。その中で2人だけ生き残った者がいた。なぜなのか…。勘のいい生徒はもうわかりますね?感染症と免疫。まさに今、現実の世界がこの問題に直面している。
いい機会だから、みなさんも主人公・若き医師ホッサルとともに病気の原因を追って本の中を旅してみませんか。感染症について分かりすく書かれているし、ホッサルは大変科学的に原因や治療法の探求を続けます。しかし彼のまわりを病以外の問題、国同士の争い、政治的な駆け引き、宗教、などが複雑に取り巻いていきます。現実の世界もそうですよね。こんなややこしい物語…これは児童書ちゃうで、と再読して唸ってしまいました。
この話、実は主人公が2人いて、もうひとりは人生を諦めたような戦士、ヴァン。長い物語にありがちなのですが、話全体の登場人物は多いし国名や人名も色々と出てきます。そういうのが苦手という人は、医師か戦士、どちらかの主人公とその行動に注目しつつ話を追っていくと少し読みやすくなるかもです。
文庫本で4冊もありますが、「守り人シリーズ」を読める人なら問題ないと思います。この本以外にも家の本棚に上橋さんの作品がある人は、ちらっと再読してみませんか。小学生の時とは違った印象や発見があるかも知れませんよ。

『鹿の王』 角川文庫だと4冊。 続編『鹿の王 水底の橋』 角川書店(単行本のみ)

 

上橋菜穂子

上橋菜穂子さんの本。よく借りられているのですが、

今はセンターの棚にみっしり並んでいます…。

おすすめ本⑤ 2020年05月18日

司書Hです。

新書を紹介します。

♣トラックに手をふりたくなった♣

橋本愛喜『トラックドライバーにも言わせて』

著者は元トラックドライバーの女性です。トラックの様々な仕様、運転の技術から現在の物流業界の問題点までを解説しています。

2019年、神奈川県で全長12メートルの大型トラックが踏切で立ち往生した事故がありました。線路と並行する狭い小道から右折して踏切に進入し、動けなくなり、快速電車と衝突してトラックの運転手が亡くなりました。著者は1カ月間のあいだに6回も事故現場に足を運びました。事故の大きさのわりに、ドライバー不足や、ドライバーの高齢化、大量積載の問題など物流業界の諸問題があまり報道されることはありませんでした。元ドライバーとして心を痛め、事故を検証し対策を語っています。

著者はリズム&ブルースの歌手を目指していただけあり、文書にリズム感があり、語りが熱いです。誰かトラックドライバーのお仕事小説を書いてくれないかなあ。

 

ドライバーの労働問題をもっとほりさげて考えるなら、首藤若菜『物流危機は終わらない』も読んでみてください。

IMG_3565

 

詩集をどうぞ。

♠「いまから百年後にわたしの詩の葉を 心をこめて読んでくれる人

君はだれかー 」♠

先日『タゴール・ソング』というドキュメンタリー映画を見ました。

ラビンドラナート・タゴールはノーベル文学賞も受賞したことがあるインドの詩人です。タゴールは作曲もしていたのです。それがいまでもベンガル人に歌いつがれて、日常で人々が口ずさんでいます。インドというと、貧富の差や女性蔑視などの社会問題が取り上げられることが多いですが、このドキュメンタリーは人々の生活と歌う姿からベンガルの民族性の豊かさを探っているのでした。

比較的最近刊行されたタゴールの詩集、2冊を紹介します。学習センターが使えるようになったら、こころに響く詩を見つけてください。

R・タゴール『わが黄金のベンガルよ』、『ギーターンジャリ』

 

IMG_3564

 

 

 

おすすめ本④ 2020年05月14日

司書Hです。今回は新書と文庫を紹介

♣立ち止まること♣

5月8日の朝日新聞に医療人類学者の磯野真穂氏のインタビューが載っていました。今私たちは、新型コロナの対策でメディアや行政の通達で毎日のように個人的な生活の様式までも指示され、規制されています。私自身もそれに準じた行動をしない人に対して批判的になったりします。これが異質なもの排除する心理なのですね。本当にぎすぎすした情けない気持ちになっています。管理社会への危惧、リスクがある状態の時のモラルなど、磯野氏はこの状況を文化人類学者として俯瞰していました。その磯野氏の著作『医療者が語る答えなき世界』を読んでみましょう。この本では医療者に関する8つのエピソードをインタビューとともに紹介しています。今回のコロナ禍でもそうですが、医療に関して私たちは、より確かな情報を欲しています。「科学的に見て」、「エビデンスがある」、なんと安心できる言葉でしょう。著者は「文化人類学とは立ち止まることを奨励する学問である」と述べています。著者は医療現場をどのように見ていくのでしょう。私たちには正論ではなく、側面から立ち止まって見ている人も必要です。

 

♥マリス博士にありがとう♥

ここでもう1冊、キャリー・マリス『マリス博士の奇想天外な人生』を紹介します。

PCR法を開発した研究者の自伝です。破天荒な科学者は自伝も好き放題、向こう三軒両隣に聞こえるように書いています。若いころ、宇宙物理か生化学かの道を迷った時、女性との会話ができるので、生化学(クスリの話ができる)を選んだそうです。地球温暖化を否定するようなことも書かれてありますが、自然に対してはとても謙虚な姿勢であるようにみえました。彼はサーファーです。訳者は福岡伸一氏です。あとがきで福岡氏も書き出していますが、この一文は今の心に響きます。「人類ができることはと言えば、現在こうして生きていられることを幸運と感じ、地球上で生起している数限りない事象を前に謙虚たること、そういった思いとともに缶ビールを空けることくらいである。リラックスしようではないか。地球上にいることをよしとしようではないか。最初は混乱があるだろう。でも、それゆえに何度も何度も学びなおす契機が訪れるのであり、自分にピッタリとした生き方をみつけられるようにもなるのである」1992年にノーベル賞化学賞を受賞しています。昨年の夏に亡くなりました。

IMG_3551

 

 

長期休校中のおすすめサイト 2020年05月12日

長期休校中、ネットを使う時間が増えていませんか?

ネットサーフィンするときに、ちょっと便利なお役立ちサイトをまとめてみました。出版社が無料で本を読ませてくれるサイトもありますよ。

 

※ 内容は、随時更新する可能性があります。

サイト名 アドレス
     オンラインで読む
青空文庫(インターネット電子図書館) https://www.aozora.gr.jp/
地球の歩き方(5/31まで) https://news.arukikata.co.jp/column/event-season/Japan/Kanto/Tokyo/146_022661_1585213345.html
るるぶ情報版 https://books.jtbpublishing.co.jp/special/rurubu/
学研2020年春の応援ライブラリー
学研まんがNEW日本の歴史などが読める
https://bpub.jp/2020spring
National Emergency Library
無料デジタルライブラリ
英語・対象140万冊以上(6/30まで)
https://archive.org/details/nationalemergencylibrary

連載企画 Day to Day

4月1日以降の日本を舞台に作家が1日一話を執筆する企画 西尾維新さんも参加!

https://tree-novel.com/works/56b29b872d9162b106944778419a486f.html
    次に何読もう?
松岡正剛千夜千冊 https://1000ya.isis.ne.jp/top/
科学道100冊 https://kagakudo100.jp/
    教科学習の参考に
放送大学
高校生にはOCWの理系科目がおすすめ
「世界文学への招待」も面白い
https://www.ouj.ac.jp/hp/movie/study/general/
ウチューンズ
JAXAの中学生向け宇宙図鑑
http://www.kids.isas.jaxa.jp/
HISTOLIST 歴史に関する面白サイト http://www.historist.jp/
24時間ではしりぬける物理
小林晋平 東京学芸大学准教授が高校物理を24時間連続で講義
https://physics24hour.com/
    国立国会図書館
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/
国立国会図書館リサーチ・ナビ しらべ方 https://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/
国立国会図書館レファレンス共同データベース 調べものデータベース https://crd.ndl.go.jp/reference/
国立国会図書館電子展示会
→貴重資料のデジタル展示、テーマが面白い
https://www.ndl.go.jp/jp/d_exhibitions/index.html
国立公文書館デジタルアーカイブ
→歴史的公文書のデジタル化、憲法や終戦の詔書もある
https://www.digital.archives.go.jp/
    その他
#学びを止めない未来の教室
→日本の様々なEdTech事業者さんの素敵な取り組みを紹介
https://www.learning-innovation.go.jp/covid_19/
キッズスタっと 探そう統計データ
(総務省の統計サイト 小・中学生向け)
https://dashboard.e-stat.go.jp/kids/
空想科学研究所

みんな大好き「空想科学図書館通信」も読めます

YouTubeサイト「KUSOLAB」もあるよ

https://www.kusokagaku.co.jp/

https://www.youtube.com/channel/UCASv6OgFsfqV03b7TDOrsDA

e-Stat 統計でみる日本
(政府の統計サイト)
https://www.e-stat.go.jp/
TED 様々なプレゼンテーション
(英語の聞き取り練習にもなる?)
https://www.ted.com/

 

 

 

休校中のおすすめ本③ 2020年05月11日

G.W.も終わりました。

公園でキャッチボールなんかしている中高生を見ると、みんなはどうしているのかなと

気になります。運動もしていますか?

筋トレのイラスト「腹筋をする男性」

 

さて、今回は司書Sです。4月に中山七里、ガンガンまとめ読み、再読していました。

もういちど2

もういちどベートーヴェン  中山七里著  宝島社

生徒にも人気のある中山七里さんの”音楽ミステリー”最新刊。これ1冊だけ読んでも楽しいけど、シリーズで読むと登場人物の成長や、そんなことがあったのか!な過去も見えてくるから、物語の世界が広がっていきます。(相関関係がややこしくなるともいう・・・海堂尊さんの小説ほどじゃないけど)

書き出しが、「ベートーヴェン『ピアノソナタ第30番』は序奏なしでいきなりはじまる。」です。いやいや、小説としてもいきなりやし。曲がすぐ頭に浮かぶ人どれくらい居る?。なのでYouTubeでサーチして、聴きながら読んでみてはいかが。流れるピアノの音と、それを表現する言葉を同時に味わうという贅沢。司書が“ながら読み”を勧めてええのんか微妙なところですが、このシリーズを読むときは実際に曲を聴いてみてほしい。長い休校やし、面白動画以外にもYouTube活用ね。

今回は、主人公・岬洋介が司法修習生をしていた頃の事件です。同期の修習生・天生高春は岬にライバル心を抱きつつも惹きつけられ、共に事件を解き明かしていきます。友情って不思議なもんで、最初はなんやこいつ、と思った相手が生涯の友になったりしてね。ミステリーによくある型で、二人はホームズとワトソンみたいでもあります。そしていつものことながら、誰が犯人か?は最後にどんでん返しがありますから、気持ちよく転がされてください。

時間があるからシリーズで読もうという人は、やっぱり最初に出た『さよならドビュッシー』からやね。どんでん返しが半端ないです。映画にもなっていますから、ゲームの合間にいかが。橋本愛ちゃんかわいいし。

※写真では、『いつまでもショパン』が欠けています…今、貸出中のようです

 

中山七里2

さらに中山七里。

テミスの剣  文藝春秋社

テミスは“掟”という意味でギリシア神話の法の女神の名でもあります。冤罪事件とそれをめぐる警察・司法の在り方を考えさせられるミステリー。殺人を犯した人物だけが悪なのか?正義とは?組織とは何なのか…と悶々としながら読みました。
猟犬のように事件を追う渡瀬警部は、中山作品のあちこちに登場する強烈なキャラクターで、数冊読むと彼が登場する話を全部読みたくなってくるあたりは、東野圭吾の「加賀恭一郎シリーズ」みたい。
グロい死体の描写が平気な人は「カエル男」、医学部を目指すみなさんなら、若い女性医師が主人公の法医学ミステリー「ヒポクラテスシリーズ」なんかもいいかな。
いずれもドラマ化されていて、『テミスの剣』と『ヒポクラテスの誓い』は、今A〇azonプライムなら無料ですし。前者はテーマが重いのでしっかりした社会派ドラマで俳優陣の演技も見応えたっぷり。後者はとにかく北川景子の表情がいいですね!文庫は2冊目、『ヒポクラテスの憂鬱』も出ているので、ドラマのシーズン2も作ってほしい~。

それでもまだ中山七里。

御子柴シリーズ 2

 

贖罪の奏鳴曲(ソナタ) ほか  講談社

こちらは「御子柴弁護士シリーズ」。タイトルを見ればわかりますが、これもまた音楽(ベートーヴェン)が出てきます。できれば聴きながら読んでみてください。
主人公は、昔殺人を犯した少年だったという設定。司書Sは神戸で現実の少年A事件を経験したため、思い出したくない、読む気になれなかったシリーズ。ところが休校で少し時間もあるし…と本を手に取ったら一気読み。学校閉鎖中、書店に続きを買いに行きました。
最後にどんでん返しがあるのは中山作品の基本ですが、法廷弁護でのどんでんであり、それがミステリの謎解きでもありますからドキドキが倍ですね。彼が弁護するのは犯人なのか、それとも…?
シリーズ1作目は御子柴と渡瀬警部という濃いキャラクター同士のぶつかり合いも見どころです。水と油かと思われたこの二人、3作目では粋な“サポート”で一瞬だけ警部が再登場。これは互いを認め合ったってことなんでしょうね。
中山作品をいくつか読んで気が付くのは、タイトルにもある“贖罪”。罪に対する償いやね。例えば渡瀬警部も御子柴も、過去に取り返しのつかない間違いを犯しています。試験で追試になった、友達を裏切った、親に嘘をついた…生きてれば失敗や罪は誰にだってある。でも、もし人の命に係わるような間違いを犯してしまったら?それに気が付いた瞬間…そしてその後の人生を、どう生きていけばいいんでしょう。「償いというのは言葉じゃなくて行動だ。だから懺悔は口にするな。行動で示せ」という少年院教官の言葉が胸に刺さります。
シリーズは 『追憶の夜想曲(ノクターン)』、『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』、『悪徳の輪舞曲(ロンド)』と出ていて、これもTVドラマになっています。WOWOW版とフジテレビ版。司書SはWOWOW版見ました、すごい熱演で、途中で止められないから風呂場にタブレット持ち込みました。みんなはやらないように。

※写真には『贖罪の奏鳴曲』がありません、貸出中みたい